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体外移植に向けて漢方で体作り

先日、もうすぐ2才になるお子さんを連れてSさんが見えました。連れてきたお子さんは二人目の子。そろそろ三人目がほしいとのことで来店されました。

Sさんが初めて見えたのは33才のとき。この時点でひとりお子さんがいらして、二人目がほしいけれど、なかなか授からないということで来られました。上のお子さんは人工授精で授かったということでした。

もともとSさんは多嚢胞性卵巣症候群があり、排卵しにくい状態でした。そのうえ甲状腺の機能低下の疑いもあって、ホルモンバランスがあまりよくない。冷え性、疲れやすい、イライラ感、偏頭痛……、気持ちも細やかな方なんですね。

お仕事は体的にも精神的にもかなりハード。ストレスを感じやすい環境にいた方で、いらしたその日から漢方薬を服用してもらい、食事や運動といった養生も指導し、漢方相談を始めました。

病院治療も並行して進めていたのですが、人工授精をこのままやっていても……ということで漢方相談を初めて1年ぐらい経ったところでしょうか、体外受精にステップアップされました。

そうしたら最初の採卵で24個卵がとれて、そのうち6個も胚盤胞に育った。その胚盤胞も、とてもいい状態ということで先生からも褒められたそうです。その中のひとつを移植したら、一回で妊娠し、二人目のお子さんを出産されたんですね。

出産後すぐに赤ちゃんを連れて来店してくれたのですが、「こんなことなら早く漢方を始めていればよかった」とお話されていました。漢方でホルモンバランスをととのえておいたおかげで、卵がよい状態でとれたわけですね。

前回の体外受精でできた受精卵が、まだ3個あるということで、あと1回だけチャレンジしよう、前回、漢方を利用してあきらめていた妊娠が叶ったから、今回もまた漢方で体をととのえてから移植に臨もう、というのが、このたびご来店いただいた経緯でした。そうして、その移植に向けて漢方をスタートしました。

でもいまのSさんは上の子の面倒をみたり、赤ちゃんのお世話をしたり、それだけでも大変な状況。運動をするとか食事のバランスをととのえるとか、すべき養生がなかなかできないことにまたストレスを感じておられたので、それならその分も漢方薬を飲んで補っていけばいいのでは、というお話をさせていただきました。

Sさんのように漢方で体の準備をしておけば、少ない回数で病院治療を成功させることができるため、体への負担も経済的な負担も減らせます。
「もっと早く始めておけばよかった」、これがSさんがしみじみとおっしゃっていたことなのです。

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