発熱

発熱

発熱

中医学では発熱をその病因の違いに基づいて、外感発熱と内傷発熱とに分類します。

外感発熱は外邪が人体に侵入し、人体の正気(抵抗力)と外邪との闘争によって生じる発熱です。これは発症が急、経過が短い、発熱が重い、初期には悪寒を伴うなどの特徴があります。現代医学的には、感染症による高熱、熱射病、マラリアなどによる発熱が外感発熱に相当します。

内傷発熱は飲食不摂生、過度の肉体労働、心身における過度な刺激によって臓腑の機能が失調して生じる発熱です。これは発病が緩慢、経過が長い、程度が軽く悪寒はなく、臓腑の病変を伴うなどの特徴があります。現代医学的には、ガンや血液病、結核、内分泌疾患などに現れる発熱がこれに相当します。


外感発熱については「感冒」をご参照ください。以下は内傷発熱を論述します。

 

漢方における原因

  1. 陰虚体質または陰虚状態で陽を制御できなくなり、そのために陽が相対的に亢進して発熱します。いわゆる「陽盛んなれば則ち熱す」
  2. 肉体疲労や飲食不摂生等により胃腸が弱り、発熱します。
  3. 出産・手術などによる過度の出血で血虚となったり、臓腑が損なわれて血の生成が不足して陰血不足となって陽が相対的に亢進して発熱します。
  4. ストレスなどの精神刺激が影響し、肝鬱状態に陥り、これが改善しなければ火に変化して発熱します。
  5. お血が体内に長期間停滞して鬱すると発熱します。

 

よく使う漢方

・瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)

・補中益気湯(ほちゅうえきとう)

・加味帰脾湯(かみきひとう)

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

 

食養生法

  1. 禁煙、禁酒、禁辛物
  2. 濃い茶やコーヒーは避け、果物ジュースや薄い茶が良いです。特に緑茶は清熱作用かあるので飲用するとよいです。
  3. 発熱すると水分を消耗するので、清熱養陰・清涼の働きを持つ果物が良いです。例えば、スイカ・梨・みかん・バナナ・りんごなど。

 

※適する漢方は一人ひとり異なります。上記症状でお悩みの方は升屋栄貫堂までご相談ください。